万年筆のこと

最近、ちょっと万年筆に凝っている。
きっかけは、先月号の『月刊アスキー』に載っていた「ウォーターマン・セレニテ」の記事だった。脇差しのように湾曲したペン軸に、金属の装飾がアクセントになっていて、とても美しいと思った。
万年筆の相場なんて知らないから、「いくらぐらいするのかな〜」と思ってネットで調べてみたら8万円…。「うわっ高っ!」と驚く。「こりゃ自分には手の届かない世界だわ」。
でも、リストの下の方…安い方…と見ていくと、5000円から1万円ぐらいの製品で、かなり良さそうなものもあるではないか。何日かネットであちらこちらと万年筆関係のサイトを彷徨っているうちに、気になりだしたのが、「ウォーターマン・フィリアス」。確かに細かい作りは少々雑に見えるが、値段の割には高級感もあっていい感じに思えた。
で、思い立ったがなんとやら、で気が変わらないうちに上野アメ横に行ってボトルインク(ブルーブラック)とコンバータ込みにて購入。
そのペンの書き味はというと、これが実に「いい」のだ。ウォーターマンの万年筆は、聞く所では「ペン先が固い」らしいのだが元々かなり筆圧が強く、しかもペンを立て気味にしてガリガリ書く癖のある私にはちょうど良くマッチしている。インクの色も、前からブルーブラックという色合いは好みだったのだが、万年筆で書くとまたいっそう趣がある。ペン先が紙に触れ、その表面を走る時、指先から伝わる婉然とした感触。これは快感だ。
楽しい。字を書くのが楽しい。ペンを持ち、紙に何か書くのが楽しい。楽しいあまり、会議中など書くものがない時には意味もなくプリントの隅を塗りつぶしていたりする(笑)。
万年筆で字を書く楽しさに比べると、便利ではあるもののキーボードを叩いて文章を書き込むという行為には「楽しさ」がついてこない。おかげで、手帳に万年筆で日記代わりのメモを書き込むようになった反面、ウェブには書き込むことが少なくなってしまった。
Palmやノートパソコンや携帯電話が手放せない生活をしている一方で、私の腕時計は機械式だし、煙草を吸うときはパイプだし(お気に入りの銘柄がなくなるそうで寂しい)、生活に二面性があるようである。
そういえば双子座の性格は「二面性」が特徴だっけ(笑)。
Palmユーザーでは、「たきのVisor・Clie日記」のたきさんが万年筆では先輩ですな。「Incomplate」のLin Saikiさんはシガーと万年筆がお好きだそうで、趣味がなんだか近い。